日常生活用具給付事業とは、重度障害者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付又は貸与すること等により、福祉の増進に資することを目的とした事業です。市町村が行う地域生活支援事業のなかで、必須事業の一つとして規定されており、市町村ごとに対象品目、給付限度額などが異なるところが特徴です。
日常生活用具の対象商品は、利用者のニーズや新商品の開発などにより随時更新されます。名古屋市では、令和6年度は、物価高騰による給付限度額の変更などがありました。今回は、日常生活用具給付事業の仕組みと名古屋市の変更点を中心にご案内いたします。
支給の仕組み
障害者(障害児の場合は扶養義務者)が市町村長に申請し、市町村が給付決定した後に給付を受けることができます。日常生活用具給付事業は、市町村の判断により決定されるため、市町村により申請手続きの流れや給付の限度額、品目、自己負担額の割合等が少し異なります。
商品代の支払い方法については、償還払いと代理受領がありますが、多くは代理受領方式です。そのため、ここでは代理受領方式の流れを図にてご説明します。
利用者負担額は、原則として1割です。ただし、所得により利用者負担に上限額が設定されています。また、一定所得以上の場合は給付の対象にならず全額自己負担となります。
対象種目
(1)介護・訓練支援用具
(2)自立生活支援用具(視覚障害者用はかり・歩行時間延長信号機用小型送信機など)
(3)在宅療養等支援用具(視覚障害者用音声体温計・視覚障害者用血LVサポートラボ20 至急の仕組み圧計など)
(4)情報・意思疎通支援用具(拡大読書器・ICタグレコーダーなど)
(5)排泄管理支援用具
(6)居宅生活動作補助用具(住宅改修費)
※種目ごとに給付限度額と耐用年数、対象となる障害等級や対象要件などが決められています。
令和6年度 名古屋市の変更について
名古屋市では給付限度額の変更と種目の追加がありましたのでご案内します。また、比較のため同じ商品で豊橋市の給付限度額と耐用年数を一覧にしました。市町村により対象種目や給付限度額、耐用年数などに差があることがわかります。
種 目 名 |
名古屋市 限度額(円) |
耐用 年数 |
豊橋市 限度額(円) |
耐用 年数 |
電磁調理器 |
17,000 |
6 |
41,000 |
6 |
視覚障害者用体重計 |
16,000 |
5 |
18,000 |
5 |
視覚障害者用血圧計 |
12,100 |
5 |
― |
― |
点字タイプライター |
82,000 |
6 |
63,100 |
5 |
情報通信・支援用具 |
102,000 |
5 |
100,000 |
4 |
視覚障害者用ポータブルレコーダー(録音再生機) |
99,800 |
6 |
85,000 |
6 |
暗所視支援眼鏡 |
395,000※1 |
8 |
198,000※2 |
8 |
視覚障害者用時計(解読式) (音声式) |
14,400 18,900 |
5 |
13,300※3
|
10
|
携帯用点字器 |
3,000 |
5 |
10,400※4 |
5 |
点字ディスプレイ |
406,500 |
6 |
383,500 |
6 |
地デジが聞けるラジオ |
25,000 |
5 |
― |
― |
※1令和6年度より新規追加 ※2令和6年度より拡大読書器の枠に追加 ※3音声式と触読式の区別はありません。※4標準型と携帯型の区別はありません(名古屋市はそれぞれ申請可)
暗所視支援眼鏡について
暗所視支援眼鏡は、暗い場所や夜間の環境下で見えにくい方、困っている方に、より明るい視界を提供することを目的として開発された眼鏡型の機器です。
令和6年度、名古屋市では新たに暗所視支援眼鏡(MW10HiKARI)が対象種目に追加されました。対象者は「視覚障害の方で夜盲又は視野狭窄があり、医師が必要と認めた方」となっており、医師の意見書が必要になります。
愛知県内で暗所視支援眼鏡を日常生活用具助成対象としている自治体、販売店、デモ機が配備されている眼科などの最新情報は、メーカーのWEBサイト(https://vixion.jp/shop)に掲載されていますのでご確認ください。
まとめ
近年、暗所視支援眼鏡に限らず新しい機器の開発が進んでおり、順次商品化されています。市町村の事業であるがゆえに、市町村ごとに給付要件にかなりの差がありますが、交渉すれば変更される可能性もあります。今回の名古屋市や豊橋市の情報のように、他の市町村の情報が、交渉材料や参考情報になるかと思います。
こうした機器の使用により、見えない・見えにくい方の日常生活上の困りごとを解決し、社会参加を促進することも期待できます。当事者のニーズや時代に即して、補助対象となる機器も更新されていくことが望まれます。