ロービジョンケア関連情報

vol.19 全国のスマートサイトについて

名古屋市総合リハビリテーションセンター 松枝孝志・田中雅之

2023年5月1日

 ロービジョンサポートラボvol.12において、スマートサイトについて取り上げました。今回は、他県の状況や全国的な取り組み・その他のロービジョンケアについても紹介していきます。

スマートサイトについて

 スマートサイトとは、視覚障害リハビリテーションが必要になる患者さんを、それぞれのニーズに対応できる専門機関につなぐための仕組みです。

 多くの都道府県では見えない・見えにくい方の支援に役立つ情報を掲載したリーフレット等を作成し、眼科の先生が患者さんに渡すことができるようになっています。患者さんはリーフレットからロービジョンケアの概要を知ることができ、そこに掲載されたホームページにアクセスすることで、より詳細な情報を得ることが可能となります。

 2021年にはすべての都道府県でスマートサイトが作られました。

 愛知県のスマートサイトでは、視覚障害者に関係する事業所・団体が非常に多いため「訓練・講座」「機器・用具等の販売」「当時者団体」「小児のロービジョンケア」など分野ごとにまとめたリーフレットとなっています。

他県のスマートサイトの取り組み

(1)福井県視覚障がい者支援ネットワーク「羽二重ねっと」

 福井県のスマートサイトは平成29年に作られています。眼科医会・視能訓練士会・視覚障害者の支援施設、当事者団体・盲学校などが構成する機関となっています。

 特徴としては、羽二重ねっと事務局の相談受付窓口が盲学校にあり、そこに連絡や相談することで、羽二重ねっとを構成する団体や相談に合わせた場所を紹介してくれるということです。窓口を一つ(ワンストップ)にすることで、そこに相談すれば適切な支援につながるという利便性を高めています。現在は他の都道府県でも同様の形式で行っている地域も多くあります。

(2)岐阜県「岐阜うかいネット」

 岐阜県のスマートサイトは「岐阜うかいネット」という名前です。岐阜アソシア・視覚障害者生活情報センターぎふという視覚障害者支援施設が窓口となり、眼科医会・大学病院・盲学校・視能訓練士会・めがね組合・岐阜アソシアが協力施設となっています。

 岐阜県のスマートサイトの一番の特徴は、眼科医からの依頼に応じて、岐阜県の眼科に岐阜うかいネットの担当が訪問して、お困りの方の相談に乗ることができる点です。直接眼科医と連携している点、訪問しての相談が可能な点が全国的にも数少ない取り組みといえます。また、医療面と福祉面、教育面、めがね組合など広く連携を図ってロービジョンケアに取り組んでいます。

全国的なロービジョンケアの広がり

 日本眼科医会のホームページには、2019年よりロービジョンケアについてのページができています。そのページの中では全国のスマートサイトや視覚障害のリハビリテーションが可能な施設などが掲載されています。

 また、「クイックロービジョンサポートハンドブック」という、ロービジョンケアについて読みやすくシンプルにまとめたハンドブックも公開され、Zoomなどによる研修も随時企画されています。昨年からは、ロービジョン連携手帳の運用が始まるなど、スマートサイトの取組は次のステージへ進もうとしています。

まとめ

 愛知県内においても、ロービジョン外来やロービジョンケアを実施する医療機関が増え、福祉施設や障害福祉サービスを紹介していただいている事例は着実に増えてきていると思います。ただ、地域によっては紹介先がない(限られている)、紹介しても距離の問題や心理的な抵抗から、なかなか患者さん自らそこに行ってもらえないなどの状況は引き続きあるのではないかと考えています。

 愛知県内においても、より多くのロービジョンケアを必要とする方に、情報やサービスが行き届くように、次のステージに向けた取り組みが求められていると感じています。

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